意地悪王子とお姫様
咲貴君がある女の子に腕を掴まれて、何かを訴えられていた。
微かに声が聞こえる。
「…待ってってば。」
「なんだよ、うっせーな。」
「なんでぇっ…。遊びだったのっ…。」
女の子は、泣きながら咲貴君にしがみついていた。
「…うるせーな、キスならしてやるよ?」
そう言って、女の子の顎を掴んだ。
キスしようした時。
咲貴君がこっちを見た。
……見つかってしまった。
すぐに逃げ出してしまいたい。
けど、足が思うように動かなかった。