意地悪王子とお姫様
目を瞑ってしまいたい。
夢だと思いたい。
「…盗み見は、いけないよ?」
咲貴君が首を傾げて笑った。
「…そんな…つもりないよっ!!」
かすれた声であたしが言う。
「まあ、いーや。俺、もう行かなきゃ。
お前、しつこすぎ。うざったい。」
泣いている女の子に言った。
「…咲貴、お願いっ…。最後だ…、」
「無ー理っ。」
そう言って咲貴君は、あたしの方に向かってくる。
女の子は、悔しそうにあたしを睨みつけてきた。
状況が理解できなかった。
ただ、分かったことは…