意地悪王子とお姫様
「……見すぎ。」
「……へ……?」
咲貴君があたしを横目で見て言う。
「俺の顔になんかついてる?」
そう言って笑う、咲貴君。
ああー、笑顔は王子様なのに。
「なんか、言えよ。おい。」
あたしの頬をつつく。
それでも、やっぱり好きなんだ。
心臓がバクバクだもん。
「…おっお弁当、一緒に食べよっ!!」
「また、いきなり言い出したよ…。」
ひかるが呆れ顔で言う。
咲貴君は、かすかに笑った。
「無ー理っ。」