意地悪王子とお姫様
▽王子様
放課後、ひかるちゃんはバイトで先に帰ってしまった。
だから、1人でだらだら帰り準備をしていると
――ガラ
教室のドアが開き誰かが入ってきた。
「……ん?」
顔を上げて見ると
「まだいたんだ。」
大好きな笑顔があった。
「咲貴君っ!!」
一気に笑顔になるあたし。
「お前、本当俺のこと好きだなー。」
咲貴君が馬鹿にしたように言う。
「…大好きだもん!!」
なんて口にした途端、自分の口を両手で慌てて抑えた。