意地悪王子とお姫様
「2人の時間の時は、咲貴って呼べよ?」
わかった?首を傾げる咲貴君に胸がキュンとなる。
「…わ、わかった……。」
そんな、いきなり呼び捨てで呼べないよ。
なんて、思いながらも王子様の頼み事を聞けないはずがない。
「咲貴って、呼んでみ?」
どんどん追い討ちをかけてくる、咲貴君。
「…しょ、…しょう…き?」
思わず疑問形になって、首を傾げる私。
「…雨芽、かわい。」
そう言って、私に優しいキスを落とした。
「今だけは…、雨芽は俺が独り占め。」
今だけは、なんて言わないで。
毎日独り占めしていいんだよ。