意地悪王子とお姫様
「…雨芽。」
あたしの名前を呼んでは、口の角度をかえていく。
こんな激しいキスは、初めてだった。
「……んっ…ふぁ…。」
自分で出してるとは思えないほど、恥ずかしい声が教室に響く。
恥ずかしいよお…。
けど、咲貴君がやめる気がないらしい。
それどころか、片手であたしのリボンをほどきはじめた。
「…だめっ…、…んんっ。」
だめだよって言いたいのに、唇を塞がれる。
自分が自分じゃないみたいで。
体がどんどん火照ってきた。
「……ぁっ…。」
リボンがほどけて、ボタンが外れる。