意地悪王子とお姫様
あたしの幸せな記憶をもういち…、
――バシっ!!
痛い、痛いよ…。
「おーいっ!!」
――ベシベシ!
あたしの頭をむぼうさに叩いてくる。
いや、痛い…痛いって。
「おい、ひかるー。
こいつ、死んでるんじゃ…、」
「黙れ黙れ黙れ黙れ黙れーっ!!」
啓の腕をガシッと掴み、あたしは言った。
「うわっ…、こえーな。なんだよ。」
ちょっと待てよ。
「こっちのセリフなんですけどっ!!てか、あたしの頭叩くのいい加減やめて!!」
相変わらずのウザさだし!?
「お前が独り言多いから、なんかにとりつかれてるのかと思ったんだよ。」
啓が笑う。