意地悪王子とお姫様
いやいや…。
その笑顔、かなり憎たらしいよ?
「ちっとも、面白くないよ。てか、どっか行って。」
あたしを1人にさせてくださいっ…!!
「なんかあったの?雨芽、おかしくない?」
カンが鋭いひかるがあたしを珍しそうに見てくる。
「変じゃないよっ!!いつもと変わんないじゃん!!ねっ!?」
周りに同意を求めようとするけど、誰もいなかった。
「あれじゃねー?また咲貴とくだらない出来事があったんだろ!」
啓が馬鹿にしたように言う。
はっ…。
くだらないの真逆なんだからー!!
自慢したいけど、必死に心に閉まった。
「それは、ない。昨日、散々雨芽には言ったもんね?」
忘れたとは言わせないよ、というよーな力強い目力であたしに問いかける。
怖いよ、ひかる……。