意地悪王子とお姫様
「もうっ!!雨芽の馬鹿っ!!」
…え、えぇー!?
そのまま、スタスタと教室から出て行ってしまったひかる。
本当に怒っちゃったの!?
「……どうしょ…。」
まさかの状況に唖然としてしまった、あたし。
あんなに怒るなんて、親友のあたしでさえ予想外の出来事だった。
不安になり、啓の顔を見る。
「どんまーいっ♪」
そんな軽々しい声であたしの肩をポンと叩く。
ほんと、死んでくれないかな。
俺には全く関係ないって感じで…、啓は席につく。
信じらんない…っ!!
思いやりのかけらもないんだからっ!!