意地悪王子とお姫様


「…ひ、ひかるちゃーん。」


あたしが恐る恐るひかるの名前を呼ぶ。

お弁当を一緒に食べる為だ。



「…………。」


ああー…。完全シカトってやつですか?



「ひかるぅー…。」


ひかるの席の前に立ちつくす、あたし。

なんでシカトするのっ!?



――ガタッ



「…えっ…、待ってよっ!!」


ひかるは、席を立ち教室から出て行ってしまった。



「……ひかるの馬鹿ぁ!!」


誰もいなくなった。

あたし、1人しかいない教室。



もう…、あたし泣いちゃうよ?



「……うぅ…。」


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