意地悪王子とお姫様


「ねぇ、咲貴ー…?」


「しつけーな、終わりだっつてんだろ?」



こんな時に咲貴君は、また違う女とごたごたなってるらしい。


声丸聞こえだよ?


こんなみんなの前でやりとりしてるから、たらしだなんて言われるんだよ!!


心の中で訴えた。




「…なにしてんの?」


「……ん?」


声がした方を見ると、咲貴君が教室のドアに寄りかかってあたしを見ていた。



ごたごた終わったんだ。

どうせ、女の方が泣いて諦めたに違いない。



「また、泣いてんのか。」


お前も忙しい奴だな、なんて言ってあたしの方に歩いてくる。



来ちゃダメだよ、誰かいるかもしれない。



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