独白・骨


窓越し。

ぼんやりと見上げた青空に白い月が浮かんでいた。


昼間の月は輪郭がいやにはっきりしていて、手を伸ばせば届くんじゃないかという錯覚に一瞬だけ陥るけれど、そんなことは無理だと僕は知っている。



子どもの頃、手を伸ばしたら届くんじゃないかと本当に思っていたけれど、どう背伸びしたって届かなくて、それは大人になって背が伸びた今も変わらない。


結局、僕個人としては月はまだまだ遠い存在になるわけだ。



< 3 / 21 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop