独白・骨
窓越し。
ぼんやりと見上げた青空に白い月が浮かんでいた。
昼間の月は輪郭がいやにはっきりしていて、手を伸ばせば届くんじゃないかという錯覚に一瞬だけ陥るけれど、そんなことは無理だと僕は知っている。
子どもの頃、手を伸ばしたら届くんじゃないかと本当に思っていたけれど、どう背伸びしたって届かなくて、それは大人になって背が伸びた今も変わらない。
結局、僕個人としては月はまだまだ遠い存在になるわけだ。