神々の歌
今までの一部始終を龍水晶で見ていたドラムが、ナナ村に現れたのだ。

ドラムは、弱い者イジメが大嫌いな子でした

ドラムが言った。
オレは、弱い者イヂメする様な奴が大嫌いなんだよ!
テメェら全員喰い殺してやる。

村人は勘違いした。自分達までこの魔物に殺されると思ったらしく部屋の中に逃げ隠れた。

盗賊は、思いも因らない魔物に怯(ひる)んでいた。シャリマは、そのドラムの姿を見てなんだか嬉しくなった、白龍の意志は間違いなくドラムに息づいてる…そんな気がしてならなかった。

盗賊の頭(かしら)が、ドラムに目掛け弓を射れと命じた。

ヒュッ!ヒュッヒュッ!と風を切る音を立てながら無数の矢がドラムを捕えた…
だが、ドラムの龍鱗は鋼の様に硬いので並の矢では貫通しないのだ。
盗賊の頭は焦っている様に見えた。
もし、ドラムが人間だったら矢の雨で死んでいたに違いない。
シャリマは、弟がドラゴンの姿で良かったと、この時は思った。

次は、盗賊三人が刀剣でドラムを切りにかかったが…ヒュッ、ビシィ!と空気を劈く(つんざく)音が響いた、盗賊三人は敢え無くドラムの靭尾(じんび)に打たれ肉が抉(えぐ)れてしまった。

あまりの強烈な一撃に三人の盗賊は気絶した。

盗賊達はドラムに勝てない事を悟り、気絶した三人の盗賊を抱え退散した。


シャリマは、ニヤニヤしながら言った。
あんた、食べ物が無くてイライラして盗賊を追っ払いに来たんでしょ?
ドラムは言った。
違う、弱い者イヂメする奴が嫌いだ…ただそれだけだよ。
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