神々の歌
『貴殿よ…私は、長くこの世…界に…居られん。契りを…交すか?…それとも、今まで…通り…じゃ…くしゃでいるか?…さぁ…選べ』

バルドは懇願した。
『オデを、強者にしてくれ。世界の王にしてくれ!』

黒い糸は言った。
『御意…ただし…二度と私と貴殿は…離れられぬ存在…となる…』

黒い糸は、バルドの人差し指から急速にバルドの身体へと『黒い糸』を伸ばし広がった。バルドは、川で溺れるかの様にもがき苦しんだ。

そして、バルドの全てを黒い糸は包み込んだ…それは、もはや糸では無く『布』の様な存在でした。
そして…黒き布は地面に広がり、布の中心から湧き上がる様に人の形を成し、黒い布は形を消した。


今…雨の降る裏路地には、独りの屈強な身体を持つ大男が居るだけだ。


新生バルドの誕生…


バルドは雄叫びした。


世界に復讐する狼煙(のろし)をあげた。
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