神々の歌

“15歳の旅立ち”

双子が産まれて、二年後…白龍が言った通り『悪しき雲』は徐々に西から勢力を伸ばし始めた。

15歳の誕生日の旅立ちが来る間、シャリマはイッコク村の村長の息子『スサノ』に剣術を習い、村長に薬草学と、貨幣の使い方と社会の仕組みを勉強していた。

ドラゴンの姿の弟?ドラムは、人語を覚え、シャリマと同じく社会の仕組みを勉強した。そんな日常を、旅立ちの二日前まで過ごしていた。


旅立ちの前夜、イッコク村の村人は、宴を開いた。
双子とする最後の宴かも知れない…村人は全員思っただろう。
双子も、宴を力の限り楽しんだ。
母シーナと父オガミは、世界なんて救わなくても良い。世界の終わりが来るまで一家揃って静かに過したい…
そんな思いを殺しながら、旅立ちの前夜祭を過ごした。


そして、旅立ちの日…

その日の朝は、空気が冷たく凜とした朝だった。
白龍の骨を削り鍛えた太刀とナイフを腰に差し、白龍の髭と体毛で編上げたイッコク村の装束をまとい。その他諸々の必需品をカバンに入れシャリマの支度は終わった、ドラムは、全身が鎧の様に堅牢な鱗で覆われてるので、特に装備する物はない。
ドラムは食料や雑貨を背負いました。
< 4 / 25 >

この作品をシェア

pagetop