アイ色のペンキ
アイ色のペンキ

プレゼント

かじかむ手で

ずっと悩んで

無造作に色が置かれるワゴンの中のマフラーをかきわけ

彼に似合う色をさがす彼女

もう空に茜色が少なくなってきてるのに

まだ悩む

彼女は頬を茜色に染め、白いため息をつく

手にした色の数だけ、彼への思いは複雑な色になる

やっとレジまで運んだのは

赤色のマフラーだった

茶色の紙袋を大事そうに抱えて

商店街を後にする彼女

空はもう

藍色に染まっていた



お幸せに



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