柘榴
ヒミカ
「本当にお前じゃないんだろうな? ヒミカ」

「だから違うって言ってるじゃない。マカ」

アタシはうんざりしていた。

ソウマの店に呼び出されて早一時間。

ぬるくなったハーブティーを一口すすって、もう一度繰り返した。

「何度も言ってるケド、アタシじゃない。信じろとは言わないけど、いい加減にしてほしい」

「…いい度胸だな。じゃあ心当りはないのか?」

マカはテーブルの上に置いていた新聞紙や雑誌を、指で叩いた。

彼女もいい加減、イライラしている。

「まぁまぁ、二人とも。お代わりが何が良いですか?」

「冷たい緑茶」

「今度はコーヒー、ミルクだけ入れて」

「はい」
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