柘榴
五人前の焼肉を平らげた後、お会計をした。

そして店に出ると…。

「待ってましたよ。ヒミカ」

「…キシ」

途端に険しい顔になってしまう。

お腹いっぱいで、良い気分も台無しだ。

「ちょうど良かった。アンタに話があったのよ」

「何だ、先に言ってくれればすぐに駆け付けたのに」

そう言ってクスクスと笑う。

男にしては妙に色気のあるキシは、アタシの同級生だ。

だけど…。

「だってボクはあなたの恋人なんですから」

…ストーカーでもあった。

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