柘榴
「でもボクが連絡しなかったせいで、ヒミカに迷惑をかけていたことは謝ります。すみません」

「良いのよ。アタシも勘違いしてたし。お互い様ってことで」

でも婚約者にさせられたんだから、アタシの方が大きなマイナスなような…。

「ふふっ。まさにケガの功名ですね」

そう言ってアタシの隣に移動してきて、ぎゅっと抱き締めてくる。

「結果オーライってことで」

「その前に」

ぐいっとキシの体を押した。

「事件の真相を突き止めないと…。マカに睨まれっぱなしなのは、いただけないわ」

「あっ、そうでしたね」
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