柘榴
ぎりっと歯噛みした。

「それにしても…」

赤ペンを置き、キシは真面目な顔になった。

「ボク以外の人間が、あなたの料理を用意するなんて許せませんね!」

…スルーすることにしよう。

「でも目的は? あたしの血族のことを知ってか、あるいは的外れか」

「う~ん。…でもヒミカの血族の方、そうそう派手には動きませんよね? 恨みをかうこともないのでは?」

「フツーなら、ね。ただウチの血族に敵対している一族も存在する。でもそいつ等とも考えにくいのよね」

お互い、秘密な存在だ。

そうそう目立った行動はしない。…というか、できないハズだ。
< 26 / 78 >

この作品をシェア

pagetop