柘榴
…納得。

「でもこれだけの料理の腕を持っている人なんて、それこそ限られますね」

「個人で作れなくもないんじゃないの?」

「食べてみないことには何とも言えませんが…。料理の材料やスパイスなどは、専門家しか手に入れられないものもありますからね」

料理の写真をパラパラとめくりながら、キシは険しい顔をする。

「…どの料理もこだわろうと思うなら、それこそ専門家並みの知識と人脈、ネットワークがないと手に入れられないものばかりなのが気になりますね」

「……考えたくはないけど、ウチの学校関係者とか?
料理にこだわり過ぎて、猟奇殺人に?」

「ありえなくはないですね。と言うか、かなり良い線いっていると思いますよ?」

キシはテーブルに資料を置いて、アタシに向き直った。珍しく、真剣な表情で。

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