柘榴
キシは被害者の調査書を手に取った。

「…共通点と言えば、全員がベジタリアンであったことと、若いこと…でしょうか」

「ベジタリアンって言うか…お肉が食べられないって人もいたみたい」

キシの背後に回り、アタシは被害者の写真を指差した。

「この女性はアレルギーでお肉全般が食べられなかったって。他のはまあ好みもあるんだろうけど、ほとんど肉が食べられなくて、野菜が主食だったって」

「まあ動物もそうですが、雑食よりはベジタリアンの肉の方が美味しいと評判ですからね」

キシは含み笑いで、アタシを見上げた。

「…何が言いたい?」

「いえ、別に。それにしても…六歳の男の子まで、ですか。少し胸が痛みますね」

「ああ…」
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