柘榴
「あら、本当? 嬉しいわぁ。あそこ、わたしの姉がやっているのよ」

「ええ、姉妹揃って美人ですね」

「まあお上手ね。ヒミカちゃんにゾッコンなのに」

「えっ!?」

カガミさんはアタシを見て、クスクス笑った。

「『大事な女性の為に、美味しい料理を作りたい』って言ってきたのよ。ほら、わたし宣伝を担当しているでしょう? だから料理教室にも詳しいんじゃないかって、尋ねて来たのよ」

もしかして容疑者5人全員にバレるのか!?

思わずフラッ…とするも、二人はニコニコと話を続ける。

「ちょっと待ってね。…ああ、あった」

机の上のファイルから、チラシを取り出し、アタシに差し出してきた。

「あっ、どうもです」

< 40 / 78 >

この作品をシェア

pagetop