柘榴
「さて、次は四階の実習室に行きましょう」

四階は調理実習室だ。

フロア全てが実習室なので、広い。

階段を上っていくと、四階には一人の男性がいた。

「ヤスヒロ先生、おはようございます」

「おおっ! キシにヒミカ! おはようさん」

にかっと豪快に笑うのは、カミナ先生の他にもう一人、肉料理を教える先生だ。

「朝から仕込みですか?」

「ああ、朝一に実習があるからな。でも二人とも、この実習には来ないはずだろう?」

「ええ、実は先生に紹介してもらった料理教室のことについてですが…」

「ああ、俺がやっているヤツか」

「えっ、ヤスヒロ先生ご自身が経営してるんですか?」
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