柘榴
「おっ、キミがウワサのヒミカさん?」

「えっええ、そうだけど…」

彼はアタシを見ると、興味津々といった感じになった。

「キシからよく聞いているよ。とうとう落ちちゃったんだって?」

…何かもう怒りを通り越して、力が抜けてきた。

「カイト、ヒミカは恥ずかしがり屋ですから」

「っ!?」

「ああ、そうだったな。でも本当に付き合い始めるとはなぁ。キシが言うのを聞いてると、コイツがただストーカーしてるだけかと思ってたんだけど」

まさにそうです!

「違いますよ。ボクとヒミカは結ばれる運命なんですから」

そう言って、肩を引き寄せてきたキシを、殴り飛ばしたい…!

「ははっ。見せつけるなよ」

しかしカイトは爽やかな笑顔で返す…。

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