柘榴
ここで野菜を育てているのが、サガミ先生。

恐る恐る扉を開けると、明るい照明の元には緑が一面に広がる。

「サガミ先生、いらっしゃいますか?」

キシが声をかけると、奥からサガミ先生が出てきた。

「やあヒミカくんにキシくん。珍しい組み合わせだね。どうしたの?」

柔らかい口調と物腰。

サガミ先生は癒やし系の先生として人気だった。

他が…個性が強過ぎるからなぁ。

「サガミ先生にこの間教えてもらった料理教室、とても良かったですよ」

「それは良かった。キシくんのご希望に叶ったかな?」

「ええ、それでですね…」

「あっ、もしかしてヒミカくんも興味を持った?」
< 51 / 78 >

この作品をシェア

pagetop