柘榴
真実
アタシはゆっくり振り返った。

ハシゴを上って来たのは―サガミ、先生だった。

別の意味で、ノドが渇いた。

「サガミ先生…。今、何て…」

「キミは自分の血しか、受け付けないのかい?」

サガミ先生は穏やかだった。

全く動じる様子が無いのが、今は怖い。

アタシは立ち上がった。

「どうして…」

「キシくんと同じ理由だよ。キミが自分の血を飲むところを、見たんだ」

笑顔で返答してくる。

「でも僕はキシくんのような独自のルートは持っていなくてね。情報不足なんだ。だから、失敗してしまったのかな?」
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