柘榴
「例の料理教室、確かに肉料理専門らしいですけど、あなたも野菜料理を教えているんですよね?」

「…うん」

ふと、サガミ先生の表情が曇った。

「そこで被害者達を知ったんですね? 親子料理教室なんてものもやっていれば、幼い子供と出会うこともあったでしょうね」

「あっ…!」

思わぬところから、被害者の接点が見つかった。

そうだった。

サガミ先生は野菜料理専門の先生。

そして被害者達は皆、ベジタリアン―菜食主義者ばかりだった。

肉料理のことばかり頭にあったけど、事件の角度を変えれば、サガミ先生が怪しい事が分かる。

「被害者達はまさか料理教室の先生が、殺人者だなんて思いもよらなかったでしょうね。しかも本職は野菜料理専門担当、事件が世間に明らかになっても、あなたは疑われなかった」
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