柘榴
挑発するな! キシ!

「だろうね。だから考えたんだ。キミの中の僕を、永遠にする方法を考えたんだ」

先生はアタシを見たまま、ナイフの刃を自分の首に当てた。

そして…

ブシュッ!

…血が、舞った。

「…っ! サガミ先生ぇ!」

アタシの絶叫は、空しく屋上に響いた。

サガミ先生は血に塗れながらも、笑顔で倒れた。

キシは眼を丸くし、言葉を無くした。

アタシは無我夢中で、先生の側に寄った。

「こんなことしてっ、意味があるって言うんですか!」

「ある…よ。キミはこ…したら、きっと、忘れ…ない、から…」

「何でっ…!」

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