柘榴
「ふぅ…。…急いだ方が良いかな?」

それでもカバンから学生証を見つけると、足は焼肉屋に向かう。

栄養補給。

我が血族には、無くてはならない。

人成らざる力を使うモノだから。

例え摂取するものが普通の人間と違ったとしても、今は補給しなければ戦えない。

学生証を見て、アタシは苦笑した。

ヒミカ。アタシの名前だ。

専門学校1年生。十八歳。

本来ならば十代最後の青春を謳歌するはずだが、この身に流れる血に縛られ続けている。

「まっ、イヤではないけどね」


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