柘榴
「ホラ、人間は輪廻転生するって言うじゃないですか。でも体は残ってしまう。どうせ焼かれて骨になるなら、アナタの栄養になりたいと思いましてね」

確かに、血族であるアタシと、人間であるキシとは同じ時間を生きられない。

…やがてキシは歳を取り、死んでしまう。

でも血族であるアタシは、そろそろ成長が止まるだろう。

そして何もなければ、100年以上も生きる。

その間にキシの転生を待つのなんて、苦ではない。

…だからだろうか。

キシは自分を食べて欲しいと言い出したのは。

アタシと愛し合った証拠を、アタシ自身の中に納めたいんだろうな。

「愛するものの一部になれる…。これぞ究極の愛のカタチだとは思いませんか?」
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