好きだと言って。
1
大嫌いな王子
「おはよう」
爽やかで美しい笑顔を振り撒くのは王子。
毎日が始まるのは、やはりこの王子の一言がなくてはならない。
王子が笑うたび、周りには花が咲き、キラキラと輝きを放っているかのように思える。
「おはよう、和稀くん…」
普段元気な女の子でさえも、間近で王子の笑顔を見ると俯いてしまう。
「柳瀬(ヤナセ)様、おはようございますっ…」
後輩は、みんな様付けで彼を呼び、決してタメ口をきかない。
そんな彼は、あたしと同じクラスであって…
「おはよう、間宮さん」
「…おはよう」
隣の席であったりする。
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