好きだと言って。






「…ほんと気に入んない。」




そう言って王子はあたしに近づいた。



チカチカチカ



明かりがついたり消えたりと、点灯し始めた。


そして、ウィーンという音とともにエレベーターはそのままゆっくり下へと向かっていく。



階は、3階2階と下りていきそして要約1階にたどりついた。



扉はレトロチックな音とともに、ゆっくりと開いた。


そのせいで、あたしが寄り掛かっていた壁がなくなり体勢が崩れる。


体が後ろに倒れそうになったところを王子が引っ張り支えた。



「残念。あともうちょっとだったのに。」


そしてニコッと笑うと、王子はあたしよりも先にエレベーターを出た。




「俺だって大嫌いだ。」




という言葉を小さく漏らして。

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