好きだと言って。


この学園に入学して早一年。


学園に通った日々は、あたしが王子にいじめられた日数とやや等しい。




『うわ!』



噂の王子と同じクラスで、それなりに上がったテンション。


しかも、隣。


どことなく懐かしい香りとともに、ドキンと高鳴る鼓動。


名門校。私立。


誇らしいといえば、誇らしいのだけれど、周りは知らない人ばかり。


友達ゼロからスタートの、学園ライフ。


これから、親友をつくろう!青春しようじゃないか!


こんな夢は夢でしかなかった。


叶えられるものも叶えられない。


だって、あたしの隣には常にこの男がいたからだ!



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