好きだと言って。
「…かよ。」
「え…」
「そんなの知るかよ。」
「ちょ…ッ!?」
もう涙がこぼれ落ちちゃうんじゃないかって思ったとき、王子が財布からキーホルダーを乱暴に外した。
そして、ギュッと一握りすると何を思ったのか、窓の方に行き、窓を開けた。
「“大切なもの”?知ったこっちゃねーよ」
まさかと思った。
だけど、止められなかった。
「んなもん、お前に必要ねーよ!」
「あっ!」
目の前が真っ暗だった。
この男、あのキーホルダーを窓の外に向かって思い切り投げやがった。
開いた口がしばし閉じれなかった。
まさかな。
まさかしないよな。
そういったあたしの考えは甘かった。
そうだ。甘すぎた。
あんこにチョコレートと生クリームをかけるくらいに甘い。
あ、それはそれで美味しいそう。
今度やってみるかな…。
でも、そうだな…
まずは…
「あんたァ!!!なにしてくれんのよ!どうしてくれんの!今すぐ下に降りて探して来いよ!コラァ!!」
胸ぐら掴んで思い切り揺さぶった。
上を見上げながらだから、すごく首が痛いけれど、今はそんなこと気にもとめていなかった。
「カンニング袋も切れるっつーの!!」
「……は?」
…今の間が気になった。
そして、なんともいえない空気になる。
「…堪忍袋、だろ…?」
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