好きだと言って。


王子に“キライ”宣言をされた日から、あたしの周りに人がいなくなった。



『間宮さん…一緒に理科室行かない?』


友達一号ができる予感?!


そう思ったのだけれど、コイツのせいでそれは夢になる。



『エ…』



その次の日、学園の掲示板に貼られたわけのわからない写真。


あたしと見知らぬハゲおやじが、妖しいホテルへ入っていく瞬間。


もちろん、そんなことをしたことはないし、行った覚えもない。


胸元に高そうな刺繍をされた紺色のブレザーに、主に青を使ったチェックのスカート。


肩に着く程のゆるパーマの焦げ茶色の髪。


あたしに間違いはない。

だけど、だけど…っ!


こんな覚えない!



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