好きだと言って。
6

いじめ




この高校に入ってすぐ、あたしは王子の存在を知った。


あのときは、まさかあんな最低なことしてるなんて知らなくて王子に見とれてた。


なにより、晴くんと重ねて見ていたから、よけい気になってた。


ただでさえ目立つ彼に、あたしの目は自然と彼を追っていた。



初めて王子と話したとき、想像していたのと同じですごく優しくて、深くにも心を奪われたんだ。


それからすぐだ。


憧れの王子様の本性を見たのは。


なによりショックだったし、一瞬で軽蔑した。



_
< 50 / 56 >

この作品をシェア

pagetop