好きだと言って。
「おいし〜」
購買で買えた、スーパー焼き肉パンを食べながら校舎裏でゆっくりする。
それにしても…
王子様、綺麗だったなぁ。
ふと、恩人なる彼を思いだす。
透明な白さの王子様の肌、すべすべなんだろうなぁ。
……って、
あたしは変態か!!
「…あ」
たまたま目をやったところに、あの王子様を見つけてしまった。
そして、ふと、自分の手元にあるスーパー焼き肉パンを見て思う。
(…お礼言わなきゃ)
スーパー焼き肉パンを手にしたまま、王子様のあとを急いで追いかけた。
……ここって体育館だよね?
裏口かなぁ。
キョロキョロしながも、王子様の姿を見つけて声をかけようとしたとき…
ボカッ
「君、明日から学校来なくていいよ」
…え
理解ができないうちに、人にぶつかった。
ぶつかったのは、ただの男子生徒だったが、口元が切れていて、頬はひどく腫れていた。
な…
なにがあったの…?
ボカッ
再び大きな音に、ビクッと体を縮めた。
「あんたさ…
目障りなんだよね。」
嘘……
そこには、さっきの男子生徒と同じく口元が切れていて、頬がひどく腫れている男子生徒が倒れていて、その体を足蹴にしている王子の姿があったのだった。
「消えろ」
王子は、長い足で男子生徒の腹部を思いきり蹴った。
「ぐはっ」
男子生徒は口から血を出し、苦しそうに体を縮めた。
王子は、そんな彼に向かってもう一度足を向けた。
「ダメッ!!!」
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