Fly
自分探しの旅
何もない空の中。
一羽の鳥が飛ぶ。
「ねぇ…飛鳥。」
一人の女の子が鳥に声をかける。
「ん〜?」
「どこに向かってるの?ここはどこなの?」
「さぁね。連が飛べと言うから飛んだのさ。」
「…ずっと、ぐるぐる同じ所を飛び続けろなんて言ったかな。」
「いや、別に。」
「これじゃ、何も見付からないよ。街を探そう。」
「はいよ。」
鳥の名前は飛鳥。
鷹の一種の様だが、赤と茶色の毛があり、何の鳥かわからない。
女の子の名前は連。
ツインテールの髪の毛に濃い青が混ざった綺麗な髪。
服装はラグランの上に長ズボンの茶色い繋ぎを着て、腰にポーチを付けている。
「飛鳥ぁ…早く〜…。お腹空いたぁ…。」
「煩い!頑張ってるんだから待ってて!」
ふと、下を見ると街が見える。
「あ!あったよ!」
「かなり新しい街だな…。綺麗。」
「ほんと。さて、下りて仲間探しでもするかね?」
「こんなバカな旅に付き合う奴は、よっぽどの暇人じゃなきゃね。」
「仲間が出来たら、何で移動しよっか?」
「…ボクをカプセルに閉じ込めないでよ。」
「それは仲間と相談するさ。飛ぶか歩くかなんて。」
「…このご主人嫌だ。」
二人は街に入る為、門の前へ行く。
飛鳥が羽を畳み、地面へ着陸。連も下りる。
「久々の地面〜!飛鳥、カプセル入って。」
ポーチから小さなカプセルが出て来る。
「わかってるよ。」
カプセルを連が開けると中へ吸い込まれた飛鳥。
代わりにまた小さなカプセルをポーチから取り出す。
「いでよ、和架。」
カプセルを開くと、ポンッと10cm程の少年が出て来る。
「んもぉ〜…何ですか…。せっかく、ゲームしてたのに…。」
「ほぉら、新しい街だよ!行こう!」
「肩にのせてよ。」
「どうぞ?」