Fly
「あのっ!旅の方々ですよねっ!?もし、よければ僕にこの街の歴史を説明させてもらえませんか!?」
「「…。」」
二人ともア然。
「あの…だめ、ですか?」
「いっ、いえ!むしろ、お願いします!」
「びくったぁ…。」
「…ね。」
「初めまして、僕の名前は亮といいます。」
「私は連です。こっちが翔です。」
「初めまして。」
「では、早速。この街の歴史を説明したいと思いますので、僕について来て下さい。」
男の人は歩きだした。
それについて行く二人。
ついた場所は公園だった。
「公園?」
「みたいだな。なんか、墓みたいなのあるけど。」
「翔さんの言う通り、あれはお墓です。」
「ほんとに?」
「はい。連さんが聞き返したくなる気持ちは、僕にもわかります。普通、公園にお墓なんてありえませんから。」
「じゃあ、なんで?」
「あのお墓は、この街の王様達のお墓なんです。歴代の。」
「王様?」
「はい。この街には、王様がいたんですよ。小さな規模なんですけどね。」
「…どうして王様なんかいたわけ?いらないよな?」