Fly
三人は宮殿へと歩き出した。
「君は、宮殿で働いてるの?召し使い?」
「はい。僕は、王妃様の護衛です。智さん…ですよね?そちらは、連さん。」
「うん。君の名前は?」
「あっ、僕は滝と申します。名前ですよ?」
「滝くん、大きな変化って何かな?」
智はたくさん聞きたい事があるらしい。
珍しいくらいだ。
連はぼーっと歩いてる。
「それは、僕もわかりませんが、王妃様が教えてくれるはずです。」
「うーん…。」
「智はどうして、そんなに聞きたいの?」
「嫌な予感がする…。」
「怖いの?」
「うん、怖いよ。」
「…早く、王妃様のところに行こっか。」
宮殿―…
「王妃様、連れて参りました。」
「ありがとうございます、滝。下がっていいですよ。皆の者に、城へ戻るように伝えて下さい。」
「わかりました。」
滝がいなくなり、部屋には連と智と王妃様の三人。
黙っていると、智が急に話し出した。
「何のようですか?」
「…あなたはお気づきでしょう?この街の事。」
「大体ですけど。」