Fly
連達は急いで門へと向かった。
「あれ?もうお帰りになるのですか?」
「はい。急いで逃げた方がいいですよ。」
「連、急げ!」
「いでよ、飛鳥!」
ぽんっと飛鳥が出てくる。
「早く乗って。飛ぶよ。」
飛鳥の背中に飛び乗って、空へと舞った。
「…こんな事、あるんだね。智…。」
「連、見んな。悲しいだけだよ。」
「でもっ。」
「泣かないで、ね?」
「ひくっ…、街がっ、街がっ、やだぁぁ!!」
連の叫び声は、悲しくも街の人には届く事はない。
「連、また明日になれば笑えるから…。」
「ひくっ、うんっ!でもっ、でもっ…。」
「また、笑おう。明日でも明後日でも明々後日でも。連が願う限り。」
「うわぁぁんっ!!」
しょうがない、なんて言ったら悲しすぎる。
けど、それが運命だったんだよ。あの街は。
俺ら五人で、君の運命は守るから…もう、泣かないで。
続く。