Fly

連達は昼ご飯を食べ、店を出た。

「今時の人で、空に街があった…なんて言わないよねぇ?」

「言いませんね。普通に考えて。でも、あの人年も年だったから。」

「そう…だね。」

「ったく、何暗くなってんですか。」

「だって…空の事、少しでも知ってるのなら、聞いてみたかったな…って。」

「今、知ったって良いことなんてありませんよ。」

「うん…。」

「でも、連。」

「なぁに?」

「空は生きてる。」

「うん!」

今の時代。
忘れられた歴史は数えきれない位あるだろう。
でも、いつかの時代ではその歴史は動いてた。
誰か一人でも、覚えてる人がいるならば…。
その歴史は生きている。

「連、これからどうすんの?買い物?」

「うん!食料の調達だよ!無くなっちゃうでしょ?」

「でも、カプセルあんの?たくさんのカプセルが食料で埋まってんじゃん。」

「私はあんまり食べないけど、和架達が食べるでしょう?」

「まぁ、カプセルの中でも今、不況ですしね。」

「そんなのあるの?」

「そりゃあるさ。ほんと、何にも知らないんですね?俺達の事。」

「母様に渡された物だもん!わからないよ!」

「ってか、よく頑固父さんを説得しましたね?」

「だって、父様には旅する事言わないで来たんだから、説得も何も…ね?」

「…もう、俺達は知りませんからね。」

「え〜!一緒に来たんだから、同罪でしょ!」

「勝手にあんたの母さんがあんたにカプセルを渡したんですよ。」

「いーじゃないの。旅は道連れ、世は情けって言うじゃない?」

「意味わかって言ってますか?」

「いや、別に…。」

「ほんとに大丈夫なんですかねぇ…。」

「大丈夫!まだ、旅は始まったばっかりだよ!」

「もう三ヶ月経ってますけどね。」

「いーの!」


続く。


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