Fly
雅「最後、俺ね?」
「うん、お願いします。」
雅「俺はね…、翔みたいな貴族ではないけど、金持ちの息子だった。」
「だった…?」
雅「そう。今は違う。
なんて言うのかなぁ…、裏取引の会社?の社長の息子だったんだよね。」
「…うん。」
雅「でさ、父ちゃんと母ちゃんはその会社を潰そうとしたんだ。
まぁ…、結果は当たり前だったよ。
殺された、仲間にね。
俺は怖くなって逃げ出したんだ。
で、連に会ったんだよ。
森の中で。」
雅音はにっこり笑った。
「だから…泥だらけだったんだね、雅音。」
雅「まぁ、ね?
連が俺のこと城に入れてくれて、仲間たちも別の地獄の世界に送り込んでくれたから、俺は今笑ってられるんだ。」
「まさ、ね…。」
雅「うるうるしないでよ〜!!!
抱きしめたくなっちゃうんだからねっ!!」
「ぎゅうって、して…?」
雅「っ!!」
和「連…?」
「だって、なんだか寂しいんだもん…。
ぎゅうってしてくれないと、私っ、消えちゃいそうなんだもんっ!」
後ろから抱きしめられる。
「ほゎ…。」
雅「ありがとう、連。」
雅音が優しく抱きしめていたのだった。