春夏秋冬


「それが聞ければ安心だよ」


その言葉が聞こえたと共に、あたしは先輩に包まれた。

抱きつかれてるんだって自覚したのは、その数秒後で。

すぐに顔に熱が集まる感じがした。


「せ、せ、せんぱっ……」

「春……」


そう言ってさらに腕に力を加える。

あたしはもう、どう足掻いても逃げられない。


しばらくして、あたしは諦めた。


……というよりか、ずっと抱き付いたまま静止している先輩に慣れた……ってのが近い。

冷静になってきた自分がいる。


「……先輩?家、あがります?」


久しぶりに、ちゃんと先輩に話しかけられた。
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