春夏秋冬
……もう、分かってるくせに……。
「ほら、言ってよ」
「……分かってるんでしょ?」
「春の口から聞きたい」
……ッ!!
耳に唇を近付けて、囁くように放たれた言葉。
さらに熱が顔に集まる。
「早く……」
急かされる。
「……好き、だから……逃げちゃうの」
「よく言えました」
そして彼はまたあたしを抱きしめる。
「俺も、春が好き……」
その言葉を聞いて、静かに滴が目から落ちた。
大好き、卯月先輩。
end...
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