春夏秋冬


俺は内心戸惑いながら聞いた。


今までそんなの言われたことなかった。

アキは結構おとなしくて、頼みごとなんて今までされなかった。


されなかったから……期待すんじゃん。

心が掻き乱される……。


「……な、なんとなくだよ」


――バカみたいじゃん。

なんとなくの一言で、すっげードキドキして、期待して、赤くなって……。


「……そ」


……バカ、じゃん。


勝手にショックを受けた俺は帰ろうと思って立ち上がる。


「……怒った……?」

「別に」


冷たく言い放つ。
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