春夏秋冬


俺は自分の部屋に入ってベッドに仰向けでダイブした。


目を瞑って思い出すのはアキの心配そうな顔。

……いらないもの(冬)まで思い出しちまった。


もともと冬は睦月の紹介で知り合った。


睦月は俺のイトコ。

その兄弟である卯月と葉月ももちろんイトコ。


睦月の態度から、すぐに冬に気があるって気付いた。

冬は気付いていない様子で睦月に接していた。


数ヶ月後に睦月が泣きついてきた。

冬に彼女ができた……って。


でもその時にはすでに俺は冬の本当の気持ちを知っていた。

冬が睦月を好きだっ……てこと。


自分から言ったくせに睦月以外の女を作った?


睦月が振りむいてくれていないと思ったんだと俺は考えて、冬は意気地無しだと思った。


あれからだ、冬を避けるようになったのは。
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