春夏秋冬
一瞬微笑んだ顔は、なぜか涙を流して俺の胸にうずめた。
「……はぁ」
ふと思い出して顔を上げると、冬が立ったままだ。
「……悪かったな、冬。マジで疑って」
「誤解が解ければいいんだ」
冬もにっこり笑った。
「ナツ、俺は帰るけど、秋が落ち着いたら送ってやって」
「え?帰んの?久しぶりに話したのに……」
「俺がいたら、話せることも話せないからね」
そう言って冬はドアノブに手をかけた。
「じゃ、また明日からよろしく」
冬は以前とまったく変わらない。
俺があんなことしてたのに……。
「あぁ」