春夏秋冬


今度は近くにあった俺の枕を自分の顔面に押し付けているアキ。


「……マゾも恥じるんだ?」

「ま、マゾじゃないから!!」

「あれ?違った?」

「違うもんっ!!」


枕で顔の見えないアキの声が、枕のせいでこもって聞こえる。


「そっか」


いつまでも顔を見せてくれないアキにイラついて、俺は枕を取り上げた。


「あっ……」


現れた可愛い顔に涙はもう見えない。


でもさっきまで泣いていたせいで目は潤み、顔は真っ赤。


その顔に、自然と目が追う先には真っ赤に色付く唇。
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